統計ダッシュボードは、国や民間企業が提供する主要な統計データをグラフ等で視覚的に表示し、簡単に利用するためのWEBサイトです。
信頼性の高いデータを簡単に取集できるため、さまざまなビジネスシーンで利用できます。
統計ダッシュボードとは?
統計ダッシュボードは、国や民間企業などが提供している主要な統計データを視覚的に表現するツールです。
例えば、日本在住の20代の人口を調べたい場合、統計ダッシュボードを利用することにより地域別や期間別で参照してグラフ化できます。
統計ダッシュボードは、ビジネスに重要な指標を簡単に参照でき、リアルタイムで更新されています。ビジネスのトレンドや傾向をより正確に把握でき、さまざまなビジネスチャンスを見つけられることも少なくありません。
民間企業も情報を提供しているため、マーケティング分析や財務分析など、さまざまな分野で使用できるデータを確認できます。
統計ダッシュボードの機能
統計ダッシュボードの主要な機能は主に3つあり、それぞれの機能を使うことにより、さまざまなマーケティング活動に活かせます。
- 地域別・期間別データのグラフ化
- 統計データのダウンロード
- APIの提供
それぞれの機能の概要について解説します。
地域別・期間別データのグラフ化
地域・期間別でデータを確認したい場合、統計ダッシュボードを利用することによりグラフ化された状態で簡単に確認できます。
地域別データのグラフ化では、都道府県・市町村などの地域ごとでデータをグラフ化できます。たとえば、ビジネスに活用できそうなさまざまなデータを地域ごとにグラフ化し、市場分析が可能です。
また、それらのデータは国や民間が提供したデータであるため、調べたいデータによっては期間別でデータをグラフ化できます。そのため、月毎に需要と供給の状況が確認可能です。
地域別・期間別データをグラフ化する機能は、ビジネスとしての発展性の判断や市場分析で非常に有用な機能です。
統計データのダウンロード
統計ダッシュボードでは、検索した統計データの数値データ群をCSVファイルとしてダウンロードできます。そのため、閲覧するだけでなく、さまざまなシステムに読み込めます。
しかし、ダウンロードデータはCSVファイルであるため、グラフ化された状態ではダウンロードされていません。そのため、グラフ化したい場合はExcelやスプレッドシートで読み込み、グラフ化する必要があります。
その他にも、データ解析ツールなどでCSVファイルを読み込んで利用できます。
APIの提供
統計ダッシュボードは、外部のアプリケーションやシステムで統計ダッシュボードのデータを利用するための、APIを登録不要・無料で提供しています。
例えば、工場の生産ラインのセンサーデータやシステムに統計ダッシュボードのデータを取り込むことにより、生産効率の分析や改善が可能です。
統計ダッシュボードのAPIを活用することにより、さまざまな開発にいかせます。
統計ダッシュボードで確認できるデータの分野について
統計ダッシュボードで確認できるデータを紹介します。人口・世帯や国土・気象、インフラなどの16分野のデータを確認できます。
国土・気象 | 総面積、森林面積、自然公園面積 |
人口・世帯 | 総人口、出生数、出入国者数 |
労働・賃金 | 就業者数、完全失業率、現金給与総額 |
農林水産業 | 農業産出額、農家数、耕地面積 |
鉱工業 | 鉱工業生産指数、製造工業稼働率指数、工業用水量 |
商業・サービス業 | サービス産業売上高、小売業販売額 |
企業・会計・経済 | 企業倒産件数、消費者物価指数、消費支出 |
住宅・土地・建設 | 新設住宅着工戸数、公共工事受注額、住宅数 |
エネルギー・水 | 電灯使用電力量、ガソリン販売量 |
運輸・観光 | 新車販売台数、輸送人員、道路平均交通量 |
情報通信・科学技術 | 電話加入数、テレビ放送受信契約数 |
教育・文化・スポーツ・生活 | 小学校数、重要文化財指定件数、睡眠の平均時間 |
行財政 | 行政投資総額、納税義務者数、衆議院議員選挙投票率 |
司法・安全・環境 | 弁護士数、刑法犯認知件数、救急出動件数 |
社会保障・衛生 | 後期高齢者医療費、介護老人福祉施設数 |
国際 | 経常収支、金融収支 |
その他 | 雇用力、稼ぐ力 |
リアルタイムでデータが更新されるため、情報提供の状況によっては、分野が増えることが考えられますが、現時点では以上のような分野のデータが確認できます。
統計ダッシュボードを利用することによるメリット
統計ダッシュボードは、ビジネスにおいてさまざまな用途で利用できるため、多くのメリットを見出せます。その中でも主なメリットと考えられる内容を紹介します。
- リアルタイムな情報を確認可能
- データが視覚的でわかりやすい
- 複数データを統合して分析可能
- 時間やコストの削減ができる
- 情報を共有が容易
リアルタイムな情報を確認可能
統計ダッシュボード上に表示されるデータが、常に最新の状態で表示されるため、データとしてとても利用しやすいです。
統計データの変化があった場合、その変化が即座にダッシュボードに反映されるため、迅速な判断や対応が可能です。
市場の状況や顧客ニーズは常に変化し続けるため、さまざまなマーケティング施策に活用できます。
データが視覚的でわかりやすい
統計ダッシュボードはグラフやチャートなどの視覚的な形式で表現できるため、感覚的にデータを比較・分析しやすいです。
グラフやチャートは、文字や数字で表現されたデータよりも視覚的に分かりやすく、データの傾向やパターンを素早く把握できることが多いです。
統計ダッシュボードのユーザーは、データをより深く理解し、迅速な判断や対応を可能にします。
複数データを統合して分析可能
統計ダッシュボードでは複数のデータソースから収集されたデータを、統合して比較分析できます。複数のデータを統合することにより、データの関係性や相互作用を分析でき、深い分析も可能です。
例えば、地域の人口データと売上データなどを統合して分析することで、さまざまなマーケティング施策の立案を可能とします。
時間やコストの削減ができる
統計データを一括参照できるため、調査・分析で発生するリソースを削減できます。
統計ダッシュボードで参照できるデータを、一から収集しようとすると、さまざまなツールを横断的に使用しなければいけません。そのため、時間や人件費などのリソースが発生します。
統計ダッシュボードを活用することにより、調査・分析を比較的容易にできます。
情報共有をスムーズにできる
統計ダッシュボードを使用することで、チーム内で同じ統計データを確認したり、分析したりできます。また、統計ダッシュボードをクラウド上に設置することで、場所や時間を問わずに複数のユーザーがアクセスして情報を共有できます。
統計ダッシュボードを利用することにより、組織内での情報共有をスムーズにします。
統計ダッシュボードを使う際の注意点
統計ダッシュボードを使う際の注意点は、データ分析の質はユーザーの能力に依存することです。
統計ダッシュボードのデータはピンポイントでデータを参照できますが、数値の原因は自ら考える必要があります。
例えば、各地域の人口が減少しているというデータは読み取れますが、その原因までは直接的に表現されません。そのため、他のデータと統合的に分析し、数値における原因を見出す必要があります。
統計ダッシュボードは、簡単にさまざまなデータを参照できますが、データの活用方法や分析方法はユーザーの能力に依存しやすいです。
統計ダッシュボードをビジネスシーンで活用する例
どのようなビジネスシーンで利用できるか確認します。
新規事業の参入や戦略設計
統計ダッシュボードを活用することで、新規事業の参入や戦略設計に役立てられます。
例えば、市場や顧客の需要動向を分析し、競合他社の市場シェアや強み・弱みを把握できます。
自社の強みや付加価値を考慮した新規事業のアイデアを生み出したり、競合他社との差別化を図るための戦略を立てたりも可能です。
また、表示されるデータを用いて市場調査をおこない、需要やトレンドの分析を行うことで、ニーズに合った商品やサービスの企画やマーケティング戦略の改善をおこなえます。
表示されるデータを用いたデータ分析から、市場や顧客のニーズなどさまざまな情報を得て、新規事業の検討やさまざまなマーケティング戦力の立案が可能です。
APIを自社コンテンツに導入
APIを自社コンテンツに導入することで、企業は自社のウェブサイトやアプリケーションでリアルタイムに信頼度の高いデータを提供できます。
例えば、WEBサイト内のコンテンツに統計ダッシュボードのAPIを取り入れ、国や企業が提供したデータを利用することによりE-E-A-T(経験-専門性-権威性-信頼性)の視点で信頼できるWEBサイトであると評価されやすいです。
統計ダッシュボードの使い方
統計ダッシュボードは指定のWEBサイトで利用します。
アクセスするとわかりますが、登録など不要でホーム画面からとても簡単に利用できます。
主な機能は3つであるため、WEBサイトの構成はとてもシンプルです。
引用: https://dashboard.e-stat.go.jp/
メニューのグラフをみる・データみる・APIなどから目的に応じて選択して利用します。
グラフで見る
メニューのグラフを見るを選択すると、参照したい地域を選べ、分野を絞ってデータの詳細検索が可能です。
グラフには、円グラフや散布図、棒グラフなどのさまざまな形態があり、提供されたデータごとにわかりやすく表示できます。
データを見る
メニューのデータを見るでは、系列・地域・時間を設定して検索します。また、CSVでデータを読み込む場合は、データを見るからおこないます。
表示されるデータは、数値データです。グラフで表示させたい場合は、ホーム画面からグラフを見るメニューを選択する必要があります。
API
メニューのAPIでは、統計ダッシュボードのAPIを利用する際の注意点や、サンプルコードを確認できます。
APIを利用するためのファイル形式はXML、JSON、CSVです。
統計ダッシュボードについてよくある質問(Q&A)
よくある質問について解説します。
- 統計ダッシュボードって何?
- 導入するにはどのような準備が必要?
- 統計ダッシュボードはどの程度正確?
- どのようなデータを可視化できる?
- どのような企業や組織で利用されている?
Q: 統計ダッシュボードって何?
統計ダッシュボードは、国や民間企業が提供する主要な統計データをグラフ等で視覚的に表示し、簡単に利用できる形で提供するシステムです。約5,000のデータ系列が分野ごとに整理されているため、気軽に統計データを利用できます。
また、収録されている全てのデータはAPIを利用でき、定期的に大量にデータを利用する場合にも便利なシステムです。
Q:導入するにはどのような準備が必要?
利用する場合に準備することは特にありません。しかし、質の高いデータ分析をするために、データ収集する目的や収集したデータをどのように利用するかなどをあらかじめ準備しておくといいです。
Q:統計ダッシュボードはどの程度正確?
表示されるデータは基本的には正確です。そのため、WEBコンテンツなどで信頼できるデータとして利用できます。
しかし、ユーザーによるデータ操作ミスにより正確性を失うことがあるので、ユーザーは丁寧な分析をおこなうことが重要です。
Q:どのようなデータを可視化できる?
データは以下のようなデータを可視化できます。
- 経済指標(GDP、インフレ率、失業率など)
- 人口統計(人口数、年齢層別人口、出生率・死亡率など)
- 行政統計(予算、出納、施策別実績、人事情報など)
- 気象(気温、湿度、気圧、二酸化炭素濃度など)
マーケティング施策を考える際に利用できるデータを多く可視化できます。
Q:どのような企業や組織で利用されている?
さまざまな企業や組織で利用されています。
企業はビジネスやマーケティングに関する統計データを可視化し、消費者の傾向やパターンを把握するために使うことが多いです。
行政や政府機関は、社会や経済の動向を把握し、政策立案や公共サービスの提供などに役立てられています。その他の分野でもさまざまな用途で利用されています。
まとめ
統計ダッシュボードは、簡単な操作で期間や地域などを自由に選び、分野やキーワードで検索することで簡単に目的のデータやグラフを取得できます。新規事業の検討やマーケティング戦略の立案、統計データをコンテンツに活用する際などにとても役立ちます。
しかし、データを活用するユーザーの能力に依存しやすいという点には注意が必要です。