セールスイネーブルメントとは?意味やツール、期待できる効果を徹底解説

セールスイネーブルメントと聞いて、単語は知っているけど意味は分からないという人は多いのではないでしょうか。セールスイネーブルメントとは、簡潔に説明すると「営業の仕組みの最適化」です。

現在、セールスイネーブルメントの市場規模は年々上昇しており、新規参入も増え続けています。そこで、今回はセールスイネーブルメントの概要や、ツール、具体的な使用例について解説します。ぜひ参考にしてみてください。

セールスイネーブルメントとは

セールスイネーブルメントとは営業活動の最適化であり、営業組織を強化、改善するための取り組みを指します。営業活動の最適化は、継続的に営業によって売り上げを上げていくことであり、セールスイネーブルメントを行う目的です。

営業と聞くと、電話をかけたり直接営業先に訪問したりなどの活動を思い浮かべると思います。しかし、営業を行う背景には営業担当者の教育や研修、営業に使うツールの開発や、実際に営業する際のプロセスの設計など、実際に営業を行うまでの段階があります。

このような営業プロセスの構築は、部署ごとに役割を分散して行われていました。しかし、セールスイネーブルメントでは、部署ごとではなく1つに統合し、より営業の成果が上がるような仕組みを作ります。

セールスイネーブルメントが注目されるようになった背景

セールスイネーブルメントという概念は2010年に登場しました。そこから右肩上がりに注目度は上がり続け、CSO Insightが2019年に発表したレポートによると、2017年から認知度が約2倍にまで拡大し、それ以降もほぼ同じ割合で推移しています。

なぜ、2017年以降このような伸びを見せたのでしょうか。

理由はさまざまありますが、Webマーケティングの領域が関係しています。WebマーケティングやMAツールの普及に伴い、マーケティング領域が獲得する見込み客の質が向上しました。マーケティング部門はデジタル化によって大きく飛躍しましたが、営業部門がそれに追いつかず、せっかく抱えた見込み客を捌ききれないという状況に多くの企業が陥りました。

そこで、営業部門を革新するべく用いられたのがセールスイネーブルメントです。セールスイネーブルメントを行うことによって、マーケティング部門が獲得した見込み客を営業の力で漏らさず抱えこめるようになりました。したがって、デジタル化が進んだことによってセールスイネーブルメントが注目されるようになりました。

セールスイネーブルメントによって見込める効果やメリット

では、実際にセールスイネーブルメントによって見込める効果やメリットは何があるのでしょうか。ここではセールスイネーブルメントの効果やメリットについて解説します。

・セールス・コンテンツの充実や共有

・教育・トレーニング

・:SFA・CRM・MAとの連携

それぞれ詳しく解説します。

セールス・コンテンツの充実や共有

セールスイネーブルメントにより、セールス・コンテンツの最適化が行えます。デジタルコンテンツの作成や更新を支援し、制作したコンテンツの管理を行うツールを活用します。

営業の提案書などは営業担当者個人が作成して使用するケースがあります。しかし、セールスイネーブルメントを用いてコンテンツの開発などを組織的に取り組むことで営業活動の効率化も見込めます。

教育・トレーニング

営業担当者の教育やトレーニングは、どうしても担当する方の力量が左右してしまいます。そこで、セールスイネーブルメントを用いて教育やトレーニングプランを作成することで教育やトレーニングを最適化できます。

SFA・CRM・MAとの連携

SFAとCRMはセールスイネーブルメントの使用において必要不可欠であると言えます。SFAを使用すれば営業の進捗具合の可視化や、営業担当者との連携が密になります。また、CRMの使用で見込み客や既存顧客のやり取りを管理でき、MAは見込み客の成熟度を把握できます。

セールスイネーブルメントの具体的な使用例

最後に、セールスイネーブルメントの具体的な使用例についてみていきましょう。

・マーケティング

・営業教育

それぞれ詳しく解説します。

マーケティング

ここでは、マーケティングにおけるセールスイネーブルメントを流入経路から見ていきます。

営業が売り上げを上げるためには、マーケティング部門が質の高い見込み客を獲得することが必要不可欠です。そのためには、どの経路が受注や契約に至るのかを計測し、至らない経路を見直し、受注に至る経路の強化するというセールスイネーブルメントの視点が必要になります。

このように、営業だけでなくマーケティングにもセールスイネーブルメントの視点は役に立ちます。

営業教育

多くの企業では、営業担当者の教育や研修は各部門で振り分けられ教える側の腕次第で企業内でも教育の質が左右します。そうなってしまえば、営業担当者のスキルや成長に差が生まれ、会社の売り上げを向上することは難しくなります。

そこで、セールスイネーブルメントの「俯瞰で全体をとらえ統一する」という考え方を用いると教育に一貫性が生まれ、営業担当者全員のスキルや成長を伸ばすことが可能です。

まとめ

今回は、セールスイネーブルメントの概要やツール、具体的な使用例について解説しました。マーケティングがデジタル化した現代において、営業の質を上げるにはセールスイネーブルメントが重要になります。

また、営業だけでなくマーケティングにおいても活用ができます。効率的にセールスイネーブルメントを行うにはSFAやCRM、MAなどのツールを積極的に用いましょう。